健康リスクのある家は断熱に問題があります。大きな窓があるにもかかわらずシングルガラス(単板ガラス)であったり、壁にはしっかりと断熱材が入っているのに床下にはなかったなど、さまざまな不具合をみつけることがあります。

寒さ・温度差をなくすためにはそれぞれ敷地の環境や平面計画によっても違います。敷地全体における平面計画が決まったら周辺環境を読みながら住まいの寒さ・温度差などを検討し対策を立てることです。特に寒さや温度差は身体に大きな負担をかけ、死にもつながります。

寒さはこんな病を発生させます

日本人の3大死因は、がん・脳卒中・心臓病で、原因は高血圧や糖尿病などによって引き起こさせるケースがあります。これらは生活習慣によるものですが、外部環境による発生要因もあります。それは住宅の寒さです。特に冬は心臓・脳・呼吸器系疾患の死者が多いことがデータから読みとれます。

【自宅での心臓・脳・呼吸器系疾患死者数が冬に増幅】

住環境が死亡原因に与える影響その1 気象条件・死亡場所と死亡率の関係

出典: 羽山広文 他 『住環境が死亡原因に与える影響その1 気象条件・死亡場所と死亡率の関係』,第68回日本公衆衛生学会総会,2009

寒さを引き起こす2つの現象をチェック

コールドドラフトをチェック
開放的な空間が欲しいため吹抜けにあこがれる人が多くいます。いざ吹抜けを設けて住んでみると夏は気持ちがよいが冬は寒いという人がいます。間取りをみると吹抜け部分の1階に大きな開口部が設けられていました。

なぜ寒いのかといえば、それはコールドドラフトといって、室外の冷たい空気が冷やされて、窓の室内側の表面が冷たくなります。そのため窓付近の室内空気も冷やされて下降気流が生じ、下に冷気、上に暖気が集まって室内に温度差が生じてしまうのです。対策としては二重サッシ(内側にインナーサッシ)にする。または天井ファンなどで空気を拡散してあげることです。

ヒートショックをチェック
冬は室内から外へ熱が大量に逃げていきますので、温度差が発生しやすくなります。その結果起床時の居間、廊下、冬のトイレ・浴室はとても低くなります。人間は大きな温度差のある部屋を行ったり来たりすれば血圧の急変動が起こります。これがヒートショックです。

入浴による死は年間1万人を超えています。たとえ亡くならないまでも、脳血管疾患による後遺症で介護が必要になるケースもあります。浴室に限って言えば、対策として暖房設備の導入や保温力のあるユニットバスを選択することです。

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室温が10℃程度とすると、起き上がって布団を出た途端に20℃以上の温度差を感じます。このヒートショックこそが健康の大きなリスクで注意が必要です。  

みなさんもマイホームを持つときには、これらの事を参考になさってくださいね。

福井で「高気密・高断熱住宅」「ZEH」「輸入住宅」「エコ住宅」でお家を建てたい人へのコラムでした。